理不尽にも生を受けた

反出生主義者の文章練習帳。他インターネットやアニメや本とか。

少年法ばかり叩かれる今日、年齢による刑罰の不平等を考えてみる。

 

日本社会においてつねに槍玉に挙げられるのが「少年法」である。


①未成年だからと言って、犯した罪に対しては大人と同等の刑罰を受けなくてはならない。
少年法があるから死刑にならない、すぐに社会に出てこれると高をくくって重大犯罪を犯す未成年者がいる
と言った理由で、少年法は常に避難の的にある。
他にも、
③更生は不可能である。
④重大犯罪を犯した犯人がたとえ未成年時の犯行だとしても、社会に出てくるのは恐ろしい。
⑤被害者、遺族の感情を考えれば、未成年だからと免責されるのはおかしい
といった理由も挙げられる
(あくまでこういう意見が良く挙げられるというだけで、けして正しい・事実であるというわけでは無い)

上の他にも様々な理由で批判を浴びる少年法だが、今回私は①の意見に対して批判をしたいと思う。

①未成年だからと言って、犯した罪に対しては大人と同等の刑罰を受けなくてはならない。

これに対する批判を一行で述べるならば
「そもそも、大人と同じの刑罰を未成年者が受けることは不可能である」
ということである、これについて以下に詳しく述べて行きたいと思う。

ここで、注意してもらいたいのが、私がこれから述べるのは「少年法批判に対する批判」ではなく、「同じ刑罰でも、年齢によって重さが違いすぎて不平等だ」ということである。別に少年法の是非をここで議論するつもりはないのであしからず。

60歳が死刑・無期懲役になることと、18歳が死刑・無期懲役になることでは、重さが違う。

 もし仮に18歳の殺人犯が、死刑・無期懲役となるとしたら、その少年の娑婆での生活は18年間で終わることになる。
残りの普通に生きて生活していたであろう、その可能性が十分にあったであろう50年近くは、刑罰によって剥奪されることになる。
しかし、60歳の殺人犯が、死刑・無期懲役となったらどうであろうか。すでに60年間社会で自由に生きてきて、
そして刑罰によって剥奪される将来はせいぜい10年程度である。
 これは、あまりに不平等では無いだろうか。
大人と同じ刑罰をと言うが、少年が今まで生きてこれたのはせいぜい20年弱であり、そして今後奪われる人生も何十年という年月がある。
年齢によって、無期懲役、死刑、もしくは長期懲役刑の重さは全く異なり、
18歳が死刑・無期懲役で受ける刑の重さを、高齢者が受けきることなどできない。

死刑、懲役刑は年齢によって不平等が生じている。

少年が大人と同等の刑罰を受けるというのはそもそも不可能である。なぜなら、少年が死刑・無期懲役で剥奪されるものは、あまりにも重すぎで、大人が受ける刑の重みを遥かに超えるからである。

 

年齢による刑罰の不平等

少年法は未成年者の責任能力等の点から考えられたものであり、
けして上で述べたように、年齢による刑罰の重さの不平等から考えられたものではないと思うが、
20代の犯人は総じて憐れである。
20代は少年法が適応されず、大人として裁かれるが先程述べたように、年齢による刑罰の不平等を考えると、50代60代と同じ刑罰を受けたとしても、その重みはかなりの差がある。20代で無期懲役になった犯人、今までせいぜい20年そこらしか生きてこなかったのに、今後何十年も塀の中で暮らさなくてはならない。
一方高齢になってから罪を犯した犯人は、今まで十分娑婆で生きて、無期懲役になったとしても、せいぜい十年ちょっとでこの世からおさらばである。
高齢になって、刑務所で介護を受けたり病院で過ごすことを考えれば、もはや懲役10年程度では無いか。

ところでジャネーの法則を知っているだろうか。

生涯のある時期における時間心理的長さは年齢の逆数比例する(年齢に反比例する)。

ジャネーの法則 - Wikipedia

この法則が絶対正しいというつもりで引用した訳ではないが、

若い時のほうが同じ時間でも重みがあると言うのは感覚的にも分かってもらえるだろう。

同じ時間の剥奪でも20歳のときに剥奪されるのと60代のときに剥奪されるのでは重みが違う。これは無期懲役や死刑だけではなく、短期、中期の懲役刑でも言えることだろう。懲役刑の年月は同じでも、年齢によって重みが違うので、刑の重さには年齢によって不平等が生じている。


少年法が適用されることもなく、明らかに他の年代に比べて重すぎる刑罰を受ける20代の犯人であり、
20代の若い犯罪者に比べて、ずっと軽い刑罰を受ける高齢の犯罪者である。

 

少年犯罪ばかり非難するな。

殺人事件全体の中でごく少数にもかかわらず、報道では大きく取り扱われ少年による犯罪が多発・凶悪化しているかのような印象を多くの国民が持っている今日。

未成年の犯人は少年法によって未成年だからといって罪を償わずに済むのかと批判を浴びているが、罪をろくに償わずに済んでいるのは高齢者の犯人の方ではないか?

高齢者の犯罪者が死刑や無期懲役になっても、そもそも失う残りの年月は少なく、その刑の重みはあまりにも小さいということに世間は気づくべきではないだろうか。

とは言え、テレビやインターネット越しに犯人に対して怒りをぶつけたところで何一つ治安に貢献することはないので、無意味な感情に振り回されるのはやめたほうが良いだろう。何かに対する怒りは、この上ない娯楽ではあるが、その誘惑に負けてはならない。

 

おしまい

この記事を書いたのは、世代間の対立を煽るためではない。

別に司法に対して文句を言って改善を求めるわけではない。

ただ、人間の持つ時間の不平等さを感じて、書いてみた限りである。